「きみを死なせないための物語」第3巻 感想!

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どうもまつりです!!

2巻の描き直しも終わり、やっと3巻の感想です!!

注意事項

3巻を読んだことのある方向けです。ネタバレしたくない方はご注意ください。私個人の考察なので悪しからずご了承くださいませ。

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「きみを死なせないための物語」 3巻

作者 吟鳥子/作画協力 中澤泉汰

表紙はシーザーがルイを支えて並んでいる絵ですね。ルイの足を考えるとシーザーは軽々と持ち上げていますね。二人とも瞳がとても綺麗です。

 

真っ当なコクーン市民「リサ」

研究室でジジとマリィが検査を受けています。

体の調子がおかしいことをリサに訴えていますが、リサは受け流すように返事をします。
怒っているジジの気を逸らそうとマリィがテレビの話題を振ります。
テレビの中の甘いシーザーにはしゃぐジジ。
怪訝そうなリサがちらっと見たことがあるというと、ジジがはしゃぎながらちゃんと見なよといいます。
その言葉にリサはダフネーと一緒にしないでと社会の常識を怒鳴ります。
このリサの言葉はかなりキツめに映りますね。
リサは標準的なコクーン市民なのでしょう。自分が常識的でまともな市民でダフネーとは違うと強く強調します。
リサの様子をみると研究自体に嫌気がさしているのではないかと思います。無機質な返事や対応は、きっと彼女自身の本当の性格ではないと思います。コクーンの常識から外れたダフネー達の行動や言動。社会的にも興味の薄い研究内容。削られる研究費。
不安とストレスの中で疲れてしまったのでしょう。リサの冷たい対応もしょうがないと思います。

ただ、アラタが甘やかすと言っていますが、ある程度の常識は教えたらいい話で人間扱いしていない結果、好き勝手に動かれてしまって困っている状態になっています。

2巻に、教育は必要ないと天上人が言っていますが、社会の秩序ぐらいは教えていいと思います。教えなかったからこそ研究に支障が出てしまっている状態です。研究者達は高学歴な人たちなのでわかりそうな気がしますけどね、、、

それだけ、ダフネーに教育をしないというのが常識なのでしょう。

天上人がこの宇宙は完全に合理的にできていると言っていますが、ダフネーに対しては微塵もないというのはむしろ非合理的なのではないでしょうか。合理的なのであれば不必要と明らかにされている以上リストインするのではと思ってしまいました。しかし、そこは倫理的な部分で問題があるのでしょう。それでも、ダフネーが生きることに関しては非人道的ではないのに、非人道的に扱うのはいかがなものか、、、矛盾を感じずにはいられません。

この後出てくるエピソードでもリサはジジに対して鬼の形相で現実を怒鳴りつけます。

現実を見ないことはおろかだと。後数年無理せず過ごせという言葉にジジは落ち込んでしまいます。いつもは大声をあげて反抗しますが、事実を受け入れたのか無表情に俯きます。自分の価値や寿命を知って、生きることがしんどいと漏らしています。ジジの運命を知っている分教えるタイミングが難しいでしょう。リサの言葉は誰が聞いてもひどい言葉に感じますが、真実を話しているとしたら、それはジジが大人になるためには必要なことではないでしょうか。もちろん、言い方やタイミングはありますが、、、知らずに生きれる方法がないのであれば遅かれ早かれ伝えるべきだと感じます。

 

「シーザー」と「ルイ」の関係

話は戻り、リサの言動に落ち込むマリィをジジが慰めます。

シーザーが教えてくれたダフネーのお姫様の物語をマリィに話します。

昔・・・昔・・・その昔・・・

美しいダフネーのお姫様に「恋」をしたネオテニイの王様がいました・・・

・・・王様はダフネーのお姫様にふられちゃいましたが・・・・

今でもずーっとそのお姫様のことが好きなのです

・・・長い長い・・・終わらない寿命の中で・・・・

ずーっと「恋」をしているのです・・・・・今でも・・・・・

「きみを死なせないための物語」3巻
(著 吟鳥子/作画協力 中澤泉汰 出版 秋田書店)より引用

この物語、どんな思いでジジに話したのでしょうか。自分に対しての皮肉だったのですかね。可愛いジジに語るためにわざわざ作ったというより頭にこびりついたものを言わざる負えなかったのでしょうか、、、

シーザーの心情はわかりそうで一番複雑な気がします。

3巻の中盤、シーザーはルイに生殖パートナーを選んでもらおうとします。
シーザーは自分の遺伝子は残さないわけにはいかないから生殖パートナーと契約はするけど、ルイにサードパートナーになって欲しいと告白をします。

シーザーの気持ちはある意味純粋な気持ちでしょう。ただルイが好きだということです。しかしシーザーの取り巻く環境が彼にルールを守らせようとしていますし、それに従うべきだと教育を受けているのでしょう。実際、ルイのために生殖パートナーを作らないという選択はどうしてもしないのです。

決められたルールを守るべきと考えることは悪いことではないですよね。それを逸脱してまで、愛を貫くことは難しいことです。相手がそれをどう思うかは別として、落とし所があるならお互い納得できる形を取ることは必要なことです。

嫌がっているとはいえ、何年も親同士が決めたセカンドパートナーを受け入れていたルイ。ルイの性格上、強引にでもパートナー制度を打ち切ることはできたはずです。それなのに打ち切らなかったのは、シーザーの好意に乗っかって生きることを望んだからじゃないですかね?それともシーザーや家族の気持ちを汲んで我慢しながらも生きる選択をしていたのでしょうか。

自ら望んだ命なのか、周りに望まれてルイ自身仕方なく生きのびた命なのか、、、

ルイの性格を考えると前者だと思います。

ルイの気持ちは作中いつでもはっきりと描写されます。たとえ含みのある言い方をしていたとしても、相手に嫌味が伝わるように話しています。

ルイにサードパートナーを断られた時、シーザーはルイらしくないといます。そうこのシーン、ルイらしくない。

ルイが社会的価値を気にすること。不本意な契約をしても生き延びたかったのに、シーザーの申し入れを受け入れなかったこと。

「祇園さん」の事件後のショックから、仕方がなく結ばれた契約。それはシーザーがルイに生きてほしいから、ルイは生きたいと望んだから成立しているのではないでしょうか。

なんでいつまでも子供のままで入れなかったのかとシーザーがいいます。

シーザーがルイのことを好きだという気持ちを止められなかったことを相当悩んでいたと思います。

同性愛をわかってもらうことも悩ましいことだとは思いますが、「恋」や「愛」が猥雑とされるコクーンだからこそ、より一層思い詰めてしまっているのでしょう。コクーン的には自分の気持ちが極めて猥雑だということに。

 

最後の方に、マリィちゃんの事件後、ルイの部屋にシーザーが駆けつけます。契約解消後のはずですがシーザーがきたのは、ルイが呼んだから、シーザーにきてほしいと思ったからではないでしょうか。

シーザーが慌てて言い訳をしたというところも、ルイが頼ったからだと感じます。

ルイはシーザー以外頼る相手がいなかったのではないでしょうか。

 

 

「アラタ」の用事

ルイの部屋でアラタが頼み事をしているシーン。
小型投影機の動画データが消えてしまったと。本編に出てきませんが結局この小型投影機はルイが作ったものなのでしょうか?
なにそれという割に、動画のデータについてアラタの話の前に「ねこ」と先に言っています。

そして微妙な間。

小型投影機を見て「祇園さん」を思い出しただけですかね?本編にあまり関係ないのかはっきりしないままこの話は強制的に終わってしまいます。ちょっと気になります。 

このエピソードの最後の方にアラタがルイに「なんでシーザーが嫌いなんだ」と聞いています。
ルイは僕はゲイじゃないと答えますが、アラタはシーザーだろと答えます。
18年間努力してきたのになんの情も湧かなかったのかと、、、、

このセリフ現代人からしたらそらそうだろとしか言いようがないです。それに「愛」や「恋」と「情」似て非なるものです。

コクーンでは違うのでしょうか??いたって真面目なアラタですが、アラタの性的趣向は女性です。これがシーザーから「恋」を感じたら変わってしまうということなのでしょうか。
・・・考えてみましたが、何年もターラに手を出してこなかったアラタならありそうな気がしてきました。

まあ私たちの生きている現代なら、何年経っても、性的趣向は変わらない人は変わらないだろうし、仲がいいからといって異性に向いていたような「恋」を同性にするわけではないと思います。そう思うとシーザーの肩を持つアラタも十分傲慢な気がします。

生殖パートナー制度があるから、セカンド・サードパートナーは性的趣向はあまり関係ないのでしょうか。

 

3巻感想を書いてみて

3巻盛りだくさんで、いつも長くなりました。シーザーとルイの関係は複雑ですね。読めば読むほどキャラクターがどんな気持ちなのかがいろんな考察ができます。

パートナー制度は合理的ではあるものの簡単に関係性を複雑にさせている気がします。

 

シーザーもそうですがアジアもバイセクシャルと言っていたり性的趣向に関しては割と現代より自由な気がしています。

自由度が高い分、複雑にしてしまうのはしょうがないことですかね。シンプルな関係しか結んでいないアラタが社会パートナー悩みがないというのは当然のことでしょうね。それ以前に、他人への興味も薄い気がします。相手への気遣いは感じますが、思考が合理的なせいか、すでに結果に行き着いていて冷たさを感じます。

 

 

そういえば、エピソード11で気になることがあります。それはタイトルが「シルヴァー・バーミューダ」ということ。

なんのことなのでしょう。気になって調べてみたのですがいまいちわかりません。

シルヴァーは「silver」銀色のこと。和製英語だと老年世代のこと。バーミューダはいまいちしっくりくるものがありませんでした。近い名前で「バミューダ諸島」が出てきましたが都市伝説の「バミューダトライアングル」のことでしょうか??

もう少し調べてみましたがバルミューダしか出てこず謎のまま。

もう少し私に学があればわかったのでしょうか、、

 

物語が複雑になってきて、今後の展開が気になりますね。

今回はこの辺で!まつりでした!!

★おまけのお絵描き

 

▼まだ「きみを死なせない物語」を読んでない方はこちらからどうぞ!!

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