「きみを死なせないための物語」第2巻 感想!

漫画!
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どうもまつりです!

2巻感想書いていきます!読めば読むほど面白いです!ストーリーも厚みがあるので感想が薄っぺらくならないよう気をつけたいと思います!!

 

 

「きみを死なせないための物語」2巻

作者 吟鳥子/作画協力 中澤泉汰

表紙はアラタとターラですね。

1巻と比べると16年経って36歳ということですがまだあどけなさを感じる見た目です。

 

目次の前に用語解説が入っていますね。

最初はこれまでのあらすじかと思い読んでいなかったのですが、読むと1巻での情報が明確になった気がします。

 

物語は1巻最後にアラタの16年前の回想が終わり、ジジが出てきましたね。

被験体とはいえコードで呼ばれるあたりに差別を感じます。ジジという名前も呼びやすいからという感じで本名とは違うのではないかと思います。

ジジの研修室からの脱走により、研究者たちがアラタの部屋に探しにきました。

出てきたアラタに対してオールドマンがダフネーについて「邪悪だ」と騒ぎます。

この差別的な発言に反吐がでます。アラタの顔を見る限りこの漫画の世界観ですら、嫌な気持ちになるのでしょうか。どう思うかは個人の自由だと思いますが、他人に強要しているような言い方は自己中もいいところです。ましてや、16年前の関係者に考えなしに発言している様子が数コマですがちょっと胸糞悪いです。出てきたターラには顔を少し赤らめているところも嫌悪感が増しますね。

 

結局、アラタの部屋にいたジジ。

地球が見たくてシェードを開こうとしますが、アラタに注意されてしまいます。

どうしても地球が見たいジジはシーザーの部屋へ行くことにします。

シーザーの部屋に入り地球を見るジジ。遅れて入ってきたアラタは地球をみて息ができなくなってしまうほど恐怖に倒れてしまいます。

このシーザーの部屋でアラタが倒れた後のシーンは、違和感のある描写に感じますね。まだ8歳のジジがすでに自分の吐息が酸素であるということを知っているのが不思議です。酸素が必要だということを確認しているように描かれているので、すでに自分の吐息が酸素であることを知っているようです。研究者から光合成のことを知らされているのでしょうか。

 

 

心臓のエピソード。大体の人が意見を変えたでしょう。

AとBの情報を少し足しただけであっという間に意見が変わってしまいますね。AとBの人生の情報をより多くを聞いたとしたらどちらかを選ぶことなんてできないかもしれないです。もしBが医者で今までの功績をもっと書かれていたら?Aの少女が少ない給付金しかもらえないほどの犯罪を犯していたら?

言い出したらキリがないものですね。どちらにせよ、作中にある通りひとの命の価値は等しくないのですね。

 

 

ターラがコミュニティフォーラムをみている時に「gaiaちゃん」出てきましたね。

1巻でもコミュニティフォーラムの後に「大地」が出てきてすでに誰が「gaiaちゃん」なのかネタバレしていることに、私は気付くのが遅かったです。笑

「gaiaちゃん」は必死に兄を守っているように見えますが、兄に対するコンプレックスみたいなものも感じます。

ダフネーについて大地くんとアラタが話しています。アラタの「ダフネーが産まれたら自分で育てたいか」という問いに対して、答えているところはスルースキルがあるなぁ思います。思っていることを直接は話していないけど、どう思っているかわかるって答えとしては正解ですね。

アラタは最初から答えがわかっているよな感じでしたが、本当はどんな答えを望んだんでしょう。

 

 

ライオンとジラフの部屋でアラタが悩みを話します。

事故によりジラフの記憶は1日ごとにリセットされてしまいます。

そんなジラフに悩みを話すアラタ。

忘れてしまうジラフは相談相手としては最高なのだと思います。

あなたはネオテニイの理想そのものの明晰さで夢を語り

光にあふれたこの部屋で香り高いお茶を飲む

死ぬまでの数百年ずっとこの美しい1日を虚しくくりかえす

「きみを死なせないための物語」2巻 70P
(著 吟鳥子/作画協力 中澤泉汰 秋田書店)より引用

ジラフの言葉は温かく勇気づけられるものです。ただ彼の病気を思い、虚しさとやるせなさが募ります。

ここでは何を話してもいいというジラフ。アラタ慰めるジラフの言葉はまさにそうですね。

 

ジジを連れていくと約束をしていたので、またジラフを尋ねます。

その日は病気を知ってしまったジラフがアラタの声を聞き慌ててできました。アラタから真実を聞き絶望を感じます。

泣いているジラフにジジが駆け寄るシーンは子供ながらになんとかしなきゃと思っているのでしょう。本当に心配していると思った次の瞬間にニコッと笑う顔は、ジラフも呆気に取られていますね。

涙が止まってすり寄っているジジが可愛らしいです。本能的にジラフが泣き止んだとすぐにわかったのでしょう。

ジジの無邪気さがジラフを救ってたシーンです。

 

最後にジラフが「その子が僕と同じ病気だったとしても生きていてほしいか」とすがるような質問に悲劇さと切なさを感じました。でも「もちろんです」というアラタの答えで、ジジもジラフもアラタさえも救われたかのようです。

生きて欲しい。シンプルにそんな思いが伝わります。

 

 

ジラフの話の途中に天上人が出てきます。現実を語りこの宇宙は合理的にできていると、非情なことを言ってきます。

これも気になったことなのですが、天上人は社会的契約がなくても話しかけることができて、触ることも問題ないのでしょうか?査定する人間だからなのでしょうか?そういえばライオンもアラタを触っていました。接触の禁止というのはどこまでなのでしょうか?

 

 

アラタの回想から社会契約の話が出てきます。

両親の話はほとんど出てきませんが、ひいばあちゃんの話が割と出てきます。物語でも重要人物ということかもしれませんが、アラタの中でもとっても大事な人なのだと思います。

地球なら死ぬ必要がないのに死ななくてはならないというのは残酷なことです。コクーン自体住むところが少ないにしても人を殺す前に、増築させることはできなかったのでしょうか。それが当たり前になっているのか、落ち着いているひいばあちゃんは最後まで綺麗な人ですね。

死に際に会えるのがただ一人だけなんて、納得できる人の方が少ないです。そんな世界秩序を作ってしまうほど世界が変わってしまったのということでしょう。誰が死ぬか決めるなんて、殺人と変わらないのに、、、

 

 

シーンは変わり、日曜大工と称してロケットを作っています。

リュカに現場を見られ問いただされます。アラタたちは気晴らしだと答え誤魔化そうとします。

リュカの目的は別なものでした。仕事が欲しいと言い出し、アラタたちは内密にしてもらうことも合わせて了承しました。

 

アラタはエンジニアですが、シーザーは操縦士、ターラは医者、ルイは芸術家です。

デザインという面でルイは手伝うことができても、シーザーとターラは難しいのではないかと思いました。

頭の出来が違うんですかね、さすが社会的価値が高いだけあります。

シーザーとルイの関係は微妙で複雑さを感じますね。ポンポンと頭を叩かれるルイは不満そうな顔をしています。いや、屈辱的という方が会っていますかね。

2巻の初めの方にも描かれていますが、セカンドパートナーでありながら、嫌悪感をあらわにする類が描かれています。

ルイを仮設トイレに連れていくシーザーはキスをしますが、激しく拒否されています。

ルイの気持ちを無視して社会的契約に縛り付け、激しく拒否をされてもシーザーはルイとキスをしたいのです。シーザーを見ていると「愛」とは「猥雑」といいざる負えないです。

 

 

食堂でアジアとターラがお茶しています。

ターラがポロッとこぼした不安を聞いて、アジアが社会的契約外だといいます。

悩むターラを見て社会的契約を変える事にします。

嬉しそうなターラ。アジアとの付き合いは長いと思うのですが、フレンドになるまではこんなに時間がかかってしますことがあるのですね。それを考えるとタイミングが合わなくて契約を変えることもなく永遠に他人になるも出てきそうです。

パートナー制度は合理的なことなのかもしれません。でも生殖する相手とサードパートナーが違うというのはどうなんですかね。現代で考えると大概は最後まで一緒にいたいと思うから結婚したり子供を授かったりしたいと思うのではないのでしょうか。病める時も健やかなる時も、、、って誓うでしょう?笑

生殖だけの相手というのも合理的なのかもしれないですが、現代に生きる私たちが実行するには難しいことだと思います。

 

 

ターラと会話の途中、研究者からアジアに報告が来ます。

ダフネーの寿命を待たず、リストインが来たと

リストインされたヘルガがグリーンルームで涙を流しジジにしがみつきます。ヘルガはその時、16歳で枯れると口にしています。ダフネー症患者もある時期を迎えたら自分の病気を知らされるんですね。暴れて泣きじゃくるヘルガの様子にこの世界の残酷さがあふれています。

ジジは自分の病気を知り、仲間の死をみて少しだけ大人になったような顔つきです

 

 

ジジの恋を応援し自分も後悔したくないと、ターラがアラタに告白をします。大昔にもうプロポーズしてると思うんだけどと言われ、自分の言葉お思い出し赤くなるターラ。やっとキスしてもらえました。

アラタはよく今までしなかったなと思います。彼らの性的欲求も寿命と同じなのでしょうか?それとも幼体成熟ということでそもそも欲求がないのでしょうか。

旧人類の私には信じられないです。笑

シーザーやルイは旧人類と同じような感じがしますが、アラタが特別なんでしょうか。

 

 

2巻は社会的契約についてが色濃く出ていますね。死に対する物語の世界観やパートナー制度の重要さが見えたと思もいます。

この制度を考えた、作者は天才的ですね。

社会的契約に考えや行動が縛られている様が物語を悲劇的にしていると感じました。現代人は誰も耐えられでしょうね。

 

さて今回はこの辺で!まつりでした!!

 

 

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